DTMに初挑戦!

推しのやっていることを理解したい!

「GarageBand」というソフトがMacに最初から入っています。

なんだろーと開いてみて、あー作曲ソフトね、なるほどー、と閉じ、自分とは縁が無いと判断し存在を忘れていました。

ですが、日常的に目にする、好きな歌手やアーティスト(つまり推し)の情報の中には曲の制作の様子なんかも含まれていて、DTM(デスクトップミュージック)に興味が湧いてきました。

何にもわからないまま、まずは「GaregeBand」を開いてみて、あっちこっちいじってみて、なんとなく、これが何をするソフトなのかはわかってきました。

自分の記憶のなかで似たようなものがあるとしたら、オーケストラのスコア(楽譜)ですね。

指揮者が使う、同じ時間軸で全楽器の動きがわかる楽譜。

それをパソコン上で、しかも楽譜のかわりに帯グラフみたいなもので入力して、入力したものはすぐに音を出して確認できる…すごい、楽しい。

いくつか入力して、ジャーンと鳴らしてみて、わーすごーい、となって、しかしすぐ飽きてしまいました。

音をPCのキーボードやマウスで入力するのも面倒だし、結局作曲にはほど遠いし。

まあ、DTMってものがどんなものなのかは体験できたし気は済んだ、とまたしばらく(数年間)ソフトにも触らず過ごしていました。

それでも気になってしょうがない

しかし、前述のとおり、推しが(推しが)当たり前にDTMで仕事している様子が目に入ってくるので、自分の好奇心を無視しきれず、ネットとYoutubeを頼りに情報を集めたところ、今の自分を助けてくれそうな2つのアイテムに出逢いました。

1つ目。MIDIキーボード。

2つ目。作曲の教科書と言えるこの本。

「作曲少女」はライトノベルです。

作曲未経験、だけど作曲ができるようになりたい少女が、作曲を職業にしている友達少女から、短期集中レッスンを受けるというお話の小説です。

「GarageBandの使い方」的な本や、「DTMの始め方」的な本も見てみましたが、それよりもこの「作曲少女」が私のやる気を刺激してくれました。

基本的な、でもとても重要な音楽の仕組みについても、さっぱりとわかりやすく教えてくれました。

どんなふうに楽しんでいるのかというと

少女の受けた作曲レッスンをなぞって、まずは好きな曲の耳コピを始めたところです。

やっていることの目的と道筋がわかっているので、楽しいです。あ、MIDIキーボードのおかげで入力が楽ちんなことも楽しい要因です。

MIDIキーボードは、Youtubeをいくつも見て、評判・メーカー・値段・用途で選びました。いい感じだと思う。

私は「道具」好きなので、飽きずに続いたらもっと色々揃えちゃうのかもしれません。

そして推しの曲を耳コピしているので苦痛は一切なく、幸せでしかありません。

コンビニ人間/村田沙耶香(著)あらすじと感想

「コンビニ人間」

著者:村田沙耶香

出版:文藝春秋

初版:2016/7/30

 

あらすじ

主人公の恵子は36歳・独身・コンビニアルバイト店員である。

恵子は子供のころから、まわりの人々からは「異質」に見られていると感じている。

それならば異質と思われないように生きていかねばと思い、異質でない人のしぐさや行動、話し方を模倣し、まわりの人々が安心するかどうかを確かめながら生きてきた。

正社員としては就職せず、新規オープンのコンビニでアルバイトを始めて18年。コンビニで働き、コンビニの商品で食事をし、コンビニで聞こえる音に反応して体が動くようになっていた。それによって社会のなかで異質な存在ではない暮らしを送ることができていた。

しかし、最近、1回も就職せずいつまでもアルバイトを続けていること、恋愛も結婚もしないことが、年齢とともに「異質」に捉えられることを感じていた。

そこで、思いついた「脱・異質」の方法とは…。

 

感想

読み進めていても、先が読めないお話で、おもしろい本でした。

おまけに自分が「異質」と思っている恵子は、完璧なコンビニ店員でした。

コンビニ業界は見逃してはいけない逸材だと思います。

登場人物は、それぞれの人物像がきちんと描かれていて、とても読みやすかったです。

コーヒーが冷めないうちに/川口俊和(著)簡単なあらすじと感想

「コーヒーが冷めないうちに」

著者:川口俊和

出版:サンマーク出版

初版:2015/12/6

 

あらすじ

とある喫茶店の決まった席に座り、決まった手順を踏むと、望んだ日時へ一定時間、タイムスリップできる。

このお店には大体いつも、スタッフと、常連客がいて、タイムスリップしたいお客さんは時々にしか現れない。

タイムスリップできる喫茶店なんて、すごく繁盛しそうだけれどそうならないのは、タイムスリップにいくつか条件があるからだ。

なかでも、「過去を変えても現実には何も変わらない」というルールが、わざわざタイムスリップする意味が無いと思わせているのだろう。

そんなわけで、ほぼ毎日変わらない顔ぶれで時間が過ぎていくこの喫茶店だが、それぞれの心の中まで変化がない訳じゃない。

「過去を変えても現実には何も変わらない」と分かった上で、それでも過去に戻りたくなる出来事が起こって…。

 

感想

川口俊和さんは、舞台の脚本・演出をされている方です。

この「コーヒーが冷めないうちに」も元は舞台だったそうです。

なるほど、タイムスリップの瞬間の描写は、確かに舞台で湯気が出ているのを想像できます。

 

とても話題になった人気作ですね。一時期、電車内の広告でもよく見かけました。どこの書店でも平積みで、「4回泣けます」を何度見かけたかわからない。泣きたいわけじゃないけれど、読んでみました。

泣きはしませんでしたが、良いお話です。

人との関わりの中で、大事なタイミングを逃してしまうと後悔することになる。

コミュニケーションを雑にしていたつもりは無いのだけれど、普段の言動を振り返るきっかけになりました。

 

このお話は、だれか特定の人の視点で進むのではなく、強いて言うなら「喫茶店」の目線で客観的に語られているような感じです。

ですので私は、キャラクターに感情移入するというよりも、物語の設定と、喫茶店の不思議でレトロな雰囲気を楽しめました。

 

映画化もされるそうですね。喫茶店のあの雰囲気を映像で見られるのは楽しみです。

 

素敵な日本人/東野圭吾(著)感想

「素敵な日本人」

著者:東野圭吾

出版:光文社

初版:2017/4/5

 

東野圭吾さんの短編集です。

それぞれに繋がりのない9話が収録されています。

 

自分がよく知っていると思っていた身近な人の、本当の姿を知ることになったとしたら・・・衝撃を受けるでしょうか、それとも納得するでしょうか。

この本では、「人」についての意外な事実が描かれています。

この世には、自分が思っていることとは違うっていうことがたくさんあるんだ、と改めて肝に銘じました。

 

1話目の「正月の決意」は、東野圭吾さんのいつものブラックユーモアシリーズのように感じましたが、ほかの8話は違いました。

 

私が特に気に入ったお話は、「十年目のバレンタインデー」です。

読み終えてスカッとしました。冒頭の、再会直後のやり取りが、コテコテなロマンチックなデートなのが良いですね。ラストの爽快感を倍増してくれます。

 

それから「壊れた時計」も面白かったです。

主人公のあの決断がネックになるんだろうと予想はついたものの、そのネックの最終的な理由が意外でした。

自分に同じことが起こった時には、これは気を付けようと思いました。

 

あとは「水晶の数珠」も良いですね。

本の最終話でもあるので、後味が良くて、気持ちを前向きにしてくれるお話でとても良かったです。

 

それぞれの短いお話のなかでも、しっかり「びっくり」させてくれる一冊です。

 

キャロリング/有川浩(著)簡単なあらすじと感想

「キャロリング」

著者:有川浩

出版:幻冬舎文庫

 

あらすじ

主人公・俊介の勤める子供服メーカーの倒産が決まった。

従業員が数人の小さな会社ではあったが、社員はそれぞれ会社に愛着があり、最終日となるクリスマスまでの最期の業務に精を出すことにした。

その中でも社長の甥である俊介は、世話になった会社から離れがたく、就職活動にも前向きになれない。

もう一つ心残りなのは、小さなすれ違いから別れてしまった彼女のことだ。彼女も同じ会社の社員である。クリスマスまでにこの気持ちに決着を付けなければもう会えない…。

そんな中、事件が起こる。

子供服を扱う事業に関連して運営していた、小学生のアフタースクールの生徒・航平が、母親に内緒で別れた父親に会いに行っていたのだ。

俊介がその事実を知ったのは、なぜか航平に協力して同行していたのが、俊介の元彼女だったからである。

俊介は彼女を叱るが、航平の書いた「ワタルの物語」に心を動かされた俊介は、自分も彼女と一緒に航平に協力することにする。

思いがけず訪れた、彼女と過ごす大切な時間…。

しかし、ある時3人は、凶悪な犯罪に巻き込まれてしまう…!

 

感想

キャロリングという言葉の意味を知らなかったので、読み終わってから調べてみました。

クリスマス・イブに讃美歌をうたうこと、だそうです。なるほどねぇ。納得しました。このお話は確かにキャロリングですね。ということは、紹介する時期を間違えていますね。

出直したいけれど、書き始めてしまったので続けます。

 

お話の季節はクリスマスです。

でも、発生する事件が大騒ぎになり、クリスマスであることをしばらく忘れます。

そして解決して、落ち着くと同時に、クリスマスらしさを思いっきり感じます。ですので、12月になってから読むと雰囲気を楽しめるのでおすすめです。時期を間違えてすみません。

 

主人公の俊介(大人)と、航平(小学生)の男の友情が清々しくて羨ましくなります。

特に、航平の物語を書く才能をいち早く見抜き、大人の事情も関係なしに、航平との友情を大切にする俊介に共感できます。

航平も、素直でけなげで、しっかり男らしくてかっこいいです。

このお話の中では、女性陣はなかなか現実的であるのに対して、男性陣は老いも若きもみんなロマンチストです。夢見がちです。本人たちはそれぞれ真剣なのですけれどね、そこも面白いです。

大人たちが夢見がちなので、航平のかっこよさが際立ちます。

 

クリスマスの雰囲気が好きな人、子供がすごくかっこよく頑張るお話が好きな人におすすめです。

塩の街/有川浩(著)簡単なあらすじと感想

「塩の街」

著者:有川浩

出版:メディアワークス

初版:2007/6/30

 

あらすじ

だれも想像しなかったような災害が日本を襲った。

いや、これが果たして災害なのか、何が原因なのか、日本国内のみで起こっているのかどうかさえも誰にもわからない。

わかっているのは、大切な人たちが次々に命を奪われ、残された者たちの生きる気力が、失われかけているということだけ…。

この災害で両親を無くし、一人ぼっちとなった女子高校生の危機をひとりの男が救った。

それをきっかけに男は少女の保護者となり、二人は共に暮らし始めた。

少女は、無愛想だが暖かな庇護を受け、徐々に笑顔と持ち前の明るさを取り戻して行く。

また男も、守るべき少女の存在と、その芯の強さに励まされながら、自分の果たすべき使命と向き合うことになる…。

 

感想

「空の中」「海の底」「塩の街」の3部作のシリーズですが、私はこの「塩の街」が一番好きです。漂流感が一番強いからでしょうか。

 

異常なことが起こってしまった世界が舞台になっているので、最初からどうしても悲しい空気が漂いますが、これは恋愛小説だ、とすれば非常にロマンチックな設定です。

非常事態中の世界で、男女がお互いしか頼る人がいなくて、助け合いながら惹かれ合いながら生き延びていくという、これぞ漂流もの(恋愛寄り)の王道を行っています。

 

主役の二人は、マイペースだけれど芯がしっかりしている若い女の子と、上官キャラの不愛想な年上の彼です。

有川浩さんの本ではおなじみすぎる設定のカップルですが、いいのです、この設定が一番ときめくのです。今回も徹底的にときめかせてくれます。

 

今、急に思い出しましたが、少し昔にテレビドラマになった「漂流教室」と、ときめくポイントが似ています。あのドラマが好きだった方にはこの本はおすすめです。

 

一番、イイ!と思ったセリフは、

「高範だ。呼んでみろ」

です。

 

家族シアター/辻村深月(著)感想

「家族シアター」

著者:辻村深月

出版:講談社

初版:2014/10/20

 

家族にまつわる短編集です。7つのお話が掲載されています。

1話目と2話目のお話は姉妹、姉弟のお話です。この二つのお話を読んで、

「うんうん、こういう感じの短編集ね、じーんと来る、いい本だねぇ」

と、のんびり構えて読み進めた3話目。

 

読み終えた途端、読後感の清々しさに衝撃を受けて、この3話目だけ何度か続けて読んでしまいました。

3話目は母娘のお話です。このお話を読んでいる短い時間で考え方が変わるほどでした。

勉強ができるとかできないとか、人付き合いが上手いとか下手とか、そういうことよりも大事な人間の性質ってあるよなぁ、いざっていう時に発揮されるよなぁと、しみじみ思いました。

 

続く4話目は父親のお話、5話目は姉妹のお話で、これらは1・2話目と同じくらいの「じーん」。

 

そして6話目がまた素晴らしかった。

じいちゃんと孫娘のお話ですが、このじいちゃんが粋でかっこいいです。

孫娘の気持ちもすごくわかるから、孫娘の気持ちになって読むと、じいちゃんのかっこよさに感動します。将来はこんな大人になろう、と決心しました。きっと間に合う。

 

最後の7話目は、ドラえもんネタです。私もドラえもん好きです。

 

3話目と6話目が特別に気に入ってしまいました。

単行本で買ったのだけど、持ち歩けるように文庫本でも欲しいです。

 

東野圭吾 ブラックユーモア短編集 一言あらすじ

どの本にどの話が載っていたのかいつもわからなくなる、集英社文庫「笑小説」東野圭吾(著)を覚書と共にまとめてみました。

 

怪笑小説

初版:1998/8/25

・鬱積電車:電車に乗るのがちょっと怖い

・おっかけバアさん:ファンってこんな感じ

・一徹おやじ:あきこと勇馬

・逆転同窓会:同窓会に名刺を持って行く年頃

・超たぬき理論:学者さんってこんな感じ

・無人島大相撲中継:漂流もの

・しかばね台分譲住宅:せんそう

・あるジーサンに線香を:アルジャーノンに花束を

・動物家族:ストレス

 

毒笑小説

初版:1999/2/25

・誘拐天国:ジェネレーションギャップ

・エンジェル:クリオネ的な

・手作りマダム:奥様友達

・マニュアル警察:お役所仕事だから

・ホームアローンじいさん:まさにあのホームアローン

・花婿人形:箱入り息子

・女流作家:ミステリー

・殺意取扱説明書:愛読の取説

・つぐない:長編でもいいくらい

・栄光の証言:一世一代の晴れ舞台

・本格推理関連グッズ鑑定ショー:「名探偵の掟」より

・誘拐電話網:大事な用事は連絡網で

 

黒笑小説

初版:2008/4/25

・もうひとつの助走:灸英社の神田さん、ほか

・線香花火:ハードボイルドのあの人

・過去の人:虚無僧探偵ゾフィー

・選考会:寒川先生、選考委員に

・巨乳妄想症候群:最初は良くても

・インポグラ:広告代理店

・みえすぎ:遺伝

・モテモテ・スプレー:モテも科学

・シンデレラ白夜行:シンデレラと白夜行がコラボ

・ストーカー入門:誰でも最初は初心者

・臨界家族:日曜朝、まちの平和を守る少女たち

・笑わない男:vsお笑い芸人

・奇跡の一枚:ちょっといいSF

歪笑小説

初版:2012/1/25

・伝説の男:伝説の編集長、獅子取

・夢の映像化:ハードボイルド再び

・序ノ口:虚無僧探偵ゴルフコンペへ行く

・罪な女:がんばれ熱海くん

・最終候補:小説家になりたい

・小説誌:中学生の追求

・天敵:マネージャー気取り

・文学賞創設:こういう瞬間があるから頑張れる

・ミステリ特集:小説誌に穴をあけるわけにはいかない

・引退発表:寒川先生、惜しまれながらも…

・戦略:愛すべき熱海圭介

・職業、小説家:そういえば只野六郎って…マニュアル警察の…

パラドックス13/東野圭吾(著)簡単なあらすじと感想

「パラドックス13」

著者:東野圭吾

出版:講談社文庫

初版:2014/5/15

 

あらすじ

久我誠哉と久我冬樹の兄弟は二人とも刑事である。

兄は管理官、弟は所轄の刑事という、役職も管轄も異なる二人が、たまたま同じ犯人逮捕の現場に居合わせた。そして犯人逮捕のその瞬間、なんと世界が一変した。

冬樹が気がついた時には、兄を含め周りにいたはずの人の姿が消えていた。運転手を失った自動車があちこちに衝突し、火の手があがっている。

何が起きたのか理解できない冬樹だが、壊滅した街を歩き回り、生存者と遭遇し、発見された人々が集まっているという場所へと導かれる。

着いたその場所では、兄の誠哉がすでに、混乱した人々をまとめ、リーダーとして頼られていた。

だが誠哉にも、何が起こっているのかはわからない。

消えてしまった人々はどこに行ったのか、世界が元に戻ることはないのか、危険は去ってはいないのか…。

だが、誠哉は徐々に真実に気付き始める。そのとき冬樹は…。

 

感想

東野圭吾さんの本のなかでもSF寄りのお話です。

タイムパラドックスとか、漂流もののお話が好きな人におすすめです。

私は漂流ものがとても好きなので、この本は何度も繰り返し読んでいます。

 

東野圭吾さんのお話の登場人物は、ちょっとかっこいいキャラクターが多いですよね。主人公っぽいというか、現実にはなかなか出会えないような、ちょっと悪くてもダークヒーローっぽいというか。

「パラドックス13」も主人公兄弟は強く、優しく、賢く、かっこいい。現実にはなかなかいませんが、この二人のおかげで物語に入り込みやすく、いっしょに漂流してもいいかなーという気になります。この兄弟が知り合ったばかりの人々と漂流し、生き延びようと奮闘しますが、数多の漂流ものと同じように、生きることが難しくなったり、仲間同士の問題が起こったり、兄弟で喧嘩したりします。

 

読後感も悪くないです。ほかの作品に比べてちょっと長いですが、それも漂流感があっておすすめです。

長いってどのくらい長いのかというと、文庫本の背表紙が2.2cmでした。

ハケンアニメ!/辻村深月(著)簡単なあらすじと感想

「ハケンアニメ!」

著者:辻村深月

出版:マガジンハウス

初版:2014/8/22

 

あらすじ

アニメ会社・スタジオえっじは現在、アニメ「運命戦線リデルライト(仮)」の制作真っ只中である。

この作品が業界から注目されている理由はひとつ、あの、王子千晴監督の9年ぶりの新作だからである。

王子監督といえば、9年前、大ヒット作を世に送り出し、その才能と本人の整った容姿と、さらに容姿に似合わぬ毒舌キャラが人気を博し、次回作を期待されながらも9年間音沙汰のなかった、謎めいた人物である。

「リデルー」のメインプロデューサーである有科香屋子は、この日もフィギュア制作会社と打ち合わせに来ていたが、頭の中は他のことでいっぱいだった。

香屋子をピンチに追い込み、悩ませているのは、他でもない、王子千晴である。

その理由とは…。

 

感想

アニメ業界についてほとんど何も知らなかったのですが、この本を読んでとても興味を持ちました。

読んで以来、アニメを観るとスタッフクレジットに注目してしまいます。

それぞれのお仕事の内容がわかりました。楽しいアニメを作ってくださったスタッフの方々、一人ひとりに感謝しながら観ています。今更ですみません。

 

登場人物が多いですが、それぞれが魅力的なキャラクターです。

第一章の「王子と猛獣使い」の二人は今後が気になるし、

第二章の「女王様と風見鶏」の二人は最初は、ちょっとどうなのこの人、と思うけれど、読み進めてよく知っていくうちに、その人の個性や良いところが見えてきて、他人と知り合って分かりあって行く過程って確かにこんな感じ、と思います。

 

そして第三章の「軍隊アリと公務員」は何だかとても共感してしまって、辛くなったり嬉しくなったりしました。

普段から日常的に感じているモヤモヤを刺激されたのだと思います。

でもそれを気持ち良く解消してくれた、嬉しいエンディングでした。

 

「ハケンアニメ!」面白かったよと友達に伝えたら、「SHIROBAKO」というアニメを薦められました。

さらにアニメ業界の世界に入り込みました。NETFLIXで休日に一気に観ました。頭の中ではハケンアニメ!とSHIROBAKOがちょっと混ざっています。

「ハケンアニメ!」も表紙に惹かれました。CLAMPさんがイラストを描いています。

CLAMPさんといえば、「東京BABYLON」「CLAMP学園探偵団」「20面相におねがい!!」大好きでした!読みたい!