パラドックス13/東野圭吾(著)簡単なあらすじと感想

「パラドックス13」

著者:東野圭吾

出版:講談社文庫

初版:2014/5/15

 

あらすじ

久我誠哉と久我冬樹の兄弟は二人とも刑事である。

兄は管理官、弟は所轄の刑事という、役職も管轄も異なる二人が、たまたま同じ犯人逮捕の現場に居合わせた。そして犯人逮捕のその瞬間、なんと世界が一変した。

冬樹が気がついた時には、兄を含め周りにいたはずの人の姿が消えていた。運転手を失った自動車があちこちに衝突し、火の手があがっている。

何が起きたのか理解できない冬樹だが、壊滅した街を歩き回り、生存者と遭遇し、発見された人々が集まっているという場所へと導かれる。

着いたその場所では、兄の誠哉がすでに、混乱した人々をまとめ、リーダーとして頼られていた。

だが誠哉にも、何が起こっているのかはわからない。

消えてしまった人々はどこに行ったのか、世界が元に戻ることはないのか、危険は去ってはいないのか…。

だが、誠哉は徐々に真実に気付き始める。そのとき冬樹は…。

 

感想

東野圭吾さんの本のなかでもSF寄りのお話です。

タイムパラドックスとか、漂流もののお話が好きな人におすすめです。

私は漂流ものがとても好きなので、この本は何度も繰り返し読んでいます。

 

東野圭吾さんのお話の登場人物は、ちょっとかっこいいキャラクターが多いですよね。主人公っぽいというか、現実にはなかなか出会えないような、ちょっと悪くてもダークヒーローっぽいというか。

「パラドックス13」も主人公兄弟は強く、優しく、賢く、かっこいい。現実にはなかなかいませんが、この二人のおかげで物語に入り込みやすく、いっしょに漂流してもいいかなーという気になります。この兄弟が知り合ったばかりの人々と漂流し、生き延びようと奮闘しますが、数多の漂流ものと同じように、生きることが難しくなったり、仲間同士の問題が起こったり、兄弟で喧嘩したりします。

 

読後感も悪くないです。ほかの作品に比べてちょっと長いですが、それも漂流感があっておすすめです。

長いってどのくらい長いのかというと、文庫本の背表紙が2.2cmでした。