「素敵な日本人」
著者:東野圭吾
出版:光文社
初版:2017/4/5
東野圭吾さんの短編集です。
それぞれに繋がりのない9話が収録されています。
自分がよく知っていると思っていた身近な人の、本当の姿を知ることになったとしたら・・・衝撃を受けるでしょうか、それとも納得するでしょうか。
この本では、「人」についての意外な事実が描かれています。
この世には、自分が思っていることとは違うっていうことがたくさんあるんだ、と改めて肝に銘じました。
1話目の「正月の決意」は、東野圭吾さんのいつものブラックユーモアシリーズのように感じましたが、ほかの8話は違いました。
私が特に気に入ったお話は、「十年目のバレンタインデー」です。
読み終えてスカッとしました。冒頭の、再会直後のやり取りが、コテコテなロマンチックなデートなのが良いですね。ラストの爽快感を倍増してくれます。
それから「壊れた時計」も面白かったです。
主人公のあの決断がネックになるんだろうと予想はついたものの、そのネックの最終的な理由が意外でした。
自分に同じことが起こった時には、これは気を付けようと思いました。
あとは「水晶の数珠」も良いですね。
本の最終話でもあるので、後味が良くて、気持ちを前向きにしてくれるお話でとても良かったです。
それぞれの短いお話のなかでも、しっかり「びっくり」させてくれる一冊です。