友だち幻想/菅野仁(著)感想

「友だち幻想」

著者:菅野仁

出版:ちくまプリマ―新書

初版:2008/3/10

 

友だちとの関わり方や、集団生活での心の持ちようについて、アドバイスをくれている本です。

そういう問題を意識したときに、自分の心と向き合う手順を教えてくれます。

自分の心が幸せを感じる理由を具体的に切り分けると、

自己充実によって、他者との交流によって、他者からの承認によって、ということになります。

自己充実とは、自分の能力を思う存分発揮できること。

他者との交流とは、人とのつながりそのものに感じる喜び。

他者からの承認とは、単純に言えば他者から褒められること。

ちょっと問題が起こってパニックになりかけた時に、これらを意識すると冷静になれる気がします。

 

それから「がんばれ」というメッセージなのではなくて、学校の在り方とか、合わないと思ったら距離を置いても良いのでは、という大人に向けた言及もあります。

そしてそれを踏まえた上で、それでも集団生活は続けていかなくて、状況と、自分の感情を並存する方向で、考えをまとめさせてくれる感じです。

 

「ちょっと苦しい思いをしてみる」ことを通して、本当の生きている楽しみをじわじわと、自分なりに感じることができるのではないかと思います。

この本は、所有して、時折読みたいです。