ハケンアニメ!/辻村深月(著)簡単なあらすじと感想

「ハケンアニメ!」

著者:辻村深月

出版:マガジンハウス

初版:2014/8/22

 

あらすじ

アニメ会社・スタジオえっじは現在、アニメ「運命戦線リデルライト(仮)」の制作真っ只中である。

この作品が業界から注目されている理由はひとつ、あの、王子千晴監督の9年ぶりの新作だからである。

王子監督といえば、9年前、大ヒット作を世に送り出し、その才能と本人の整った容姿と、さらに容姿に似合わぬ毒舌キャラが人気を博し、次回作を期待されながらも9年間音沙汰のなかった、謎めいた人物である。

「リデルー」のメインプロデューサーである有科香屋子は、この日もフィギュア制作会社と打ち合わせに来ていたが、頭の中は他のことでいっぱいだった。

香屋子をピンチに追い込み、悩ませているのは、他でもない、王子千晴である。

その理由とは…。

 

感想

アニメ業界についてほとんど何も知らなかったのですが、この本を読んでとても興味を持ちました。

読んで以来、アニメを観るとスタッフクレジットに注目してしまいます。

それぞれのお仕事の内容がわかりました。楽しいアニメを作ってくださったスタッフの方々、一人ひとりに感謝しながら観ています。今更ですみません。

 

登場人物が多いですが、それぞれが魅力的なキャラクターです。

第一章の「王子と猛獣使い」の二人は今後が気になるし、

第二章の「女王様と風見鶏」の二人は最初は、ちょっとどうなのこの人、と思うけれど、読み進めてよく知っていくうちに、その人の個性や良いところが見えてきて、他人と知り合って分かりあって行く過程って確かにこんな感じ、と思います。

 

そして第三章の「軍隊アリと公務員」は何だかとても共感してしまって、辛くなったり嬉しくなったりしました。

普段から日常的に感じているモヤモヤを刺激されたのだと思います。

でもそれを気持ち良く解消してくれた、嬉しいエンディングでした。

 

「ハケンアニメ!」面白かったよと友達に伝えたら、「SHIROBAKO」というアニメを薦められました。

さらにアニメ業界の世界に入り込みました。NETFLIXで休日に一気に観ました。頭の中ではハケンアニメ!とSHIROBAKOがちょっと混ざっています。

「ハケンアニメ!」も表紙に惹かれました。CLAMPさんがイラストを描いています。

CLAMPさんといえば、「東京BABYLON」「CLAMP学園探偵団」「20面相におねがい!!」大好きでした!読みたい!

カフーを待ちわびて/原田マハ(著)簡単なあらすじと感想

「カフーを待ちわびて」

著者:原田マハ

出版:宝島社

初版:2006/4/3

 

あらすじ

島の暮らしは毎日、同じように、過ぎて行く。

同じ時間に起きて、同じ場所に散歩に行って、店に買い物に来る人たちも同じ、いつもと同じようにおばあと夕食をとる。

ある日、巫女であるおばあが尋ねた。

「知らせは、あったかね」

なんの、とは聞かなかったが、明青には微かな心当たりがあった。

島民の旅行で行った北陸の地で、絵馬に「嫁に来ないか」と、氏名だけを添えて書いたのである。

そしてなんと、手紙で返事が届いたのである。

明青の、島の暮らしが変わり始める…。

 

感想

光景が目に浮かぶどころか、自分がそこにいるような感覚のまま読み終わりました。

沖縄旅行に行きたいのだけど行けない・・・というときに読むと良いです。

原田マハさんのお話はそういう、旅行の代わりに読むと良い本がたくさんありますね。

いつも不思議と、その場にいて、その人たちを良く知っているような気持になります。

 

沖縄の話し言葉が満載のこのお話は、与那喜島で生まれ育った明青が主人公の、恋愛物語です。

明青の普段の生活がとても丁寧に描かれているので、読んでいると、まるで波の音が聞こえたり、海の風を感じられるかのようです。

明青が寡黙なので、ちょっともどかしかったり地味にハラハラしたりしますが、物語の中で、彼も成長します。大丈夫です。

寡黙な主人公に対して、ヒロインは快活で明るいかわいらしい女性です。

明青の目線でお話が進むので、つい自分まで寡黙であるかのような気分になりますので、明るい彼女と過ごして、惹かれる気持ちがよくわかります。

 

原田マハさんの本の中でも特に好きな1冊です。

この本を手にとった理由の一つは、カバー装丁でした。

単行本で買ったのですが、目に優しい白地に、タイトルと原田マハさんのお名前が明朝体の黒文字で書かれていて、大人っぽくて素敵なんです。

ちなみにカバーを外すと全く違った表紙が現れます。

 

はじめまして

はじめまして!

いちごあめといいます。

絵本、ビジネス書、漫画、小説、ムック本・・・などなど、いろんな本を読んだ感想や、それらに関して興味を持ったことなど、記録として残していきたいと思っています。

それから、すてきな文房具に出会ったときにも思いを綴っていこうと思います。

どうぞよろしく。